スポーツに多いハムストリングスの肉離れについて〜治療と再発予防〜

急激なダッシュやストップ、ターン、ジャンプなどの動きはスポーツにおいて重要な動作であり、その動作には筋肉に大きな負担がかかります。
これらの負荷に対して筋肉がうまく耐えきれない状態でストレスがかかると肉離れを生じてしまいます。
今回は、その肉離れの中でも発生頻度の多いハムストリングスの肉離れについて解説していきます。

目次

  1. はじめに
  2. 肉離れの診断と重症度について
  3. 治療とリハビリ
    1. 急性期
    2. 回復期
    3. アスレティックリハビリテーション期
  4. 最後に

はじめに

肉離れはスポーツにおいて非常に発生頻度の多い怪我であり、打撲等とは異なり、自身の動きによって筋肉が強く引き伸ばされることで損傷する傷害です。
特に下肢に生じることが多く、その中でも、もも裏につくハムストリングスといった筋肉が最も損傷しやすい筋肉となっています。

またハムストリングスの肉離れは再発を繰り返しやすく、慢性化することで競技から長期間離脱することを余儀なくされることも少なくはありません。 ハムストリングスの肉離れの原因は、柔軟性の低下、筋力低下、もも前ともも裏の筋力のアンバランスなどの様々な原因が挙げられます。
よってこれらの機能を向上させることで再発の予防や早期の競技復帰を促すことができると考えられています。

肉離れの診断と重症度について

肉離れの診断においては自覚痛とストレッチや抵抗をかけたときの痛みなどで受傷の程度やスポーツなどの復帰時期をおおよそ判断できますが、筋線維の損傷具合と実際の痛みなどの症状に乖離がみられると再受傷してしまうリスクを高めてしまいます。
再受傷するリスクを下げるためにはMRIを用いた筋損傷の程度の把握とリハビリでの適切な負荷をかけていくことが重要となります。

筋損傷の重症度は3つのタイプに分類されており、タイプⅠでは筋線維部位の損傷のみであり、多くの場合は痛みの程度にあわせて負荷をかけていき、通常2週間以内でのスポーツ復帰が可能な状態となります。

タイプⅡでは腱膜線維も含めた筋線維の損傷がある状態であり、損傷した腱膜線維が十分修復したことを確認しないで強い負荷がかかると再受傷してしまうので注意が必要な状態となります。
よって受傷後6~8週間以降にMRIにて腱膜線維が十分回復していることを確認してから、スプリント系のトレーニングを行い、スポーツ復帰を促していくことが再発を予防できる最善の方法とされています。

これらの確認を怠って自覚症状やストレッチ痛などが解消しているので問題ないと思い込み、ダッシュなどの急激な負荷をかけることで復帰直後に再受傷してしまうケースが多くのスポーツ現場で見受けられます。
よって再発を予防するためには自身での自覚症状やトレーナやセラピストのチェックだけでなく医者の医学的な所見も含めてスポーツ復帰を勧めていくことが必要となります。

タイプⅢでは骨の付着部も含めた筋線維の損傷となり、トップアスリートの場合受傷後約2週間以内に手術が必要な場合があるので、早めにMRIでの診断をする必要があります。

当院においても診察にて触診や徒手検査、動作チェックでの筋線維の損傷具合の確認やエコー検査やMRIの画像を確認して負荷をかけて行ける程度を判断しながら競技復帰を目指していきます。
またリハビリでの機能訓練を行うことで全身のコンディションを高めていき再受傷をしないための体作りをしていきます。

治療とリハビリ

肉離れの治療においては受傷時期と程度に併せて適切な処置や運動を行っていくことが必要となります。

急性期

受傷直後の急性期(受傷後2~5日)の場合は、患部の保護と炎症をコントロールすることが優先になります。

患部をテーピングや包帯などで保護し、損傷部位に負担をかけないようにして、物理療法などでの消炎・鎮痛を図っていきます。

回復期

急性症状が落ち着いてくると次に筋肉を徐々にストレッチで伸ばしていくようにしていき、少しずつ筋肉の柔軟性を回復していきます。

また低負荷でのトレーニングも痛みに応じて行っていき、筋力の回復も図っていきます。
経過の中で画像所見や抵抗テストでの症状を見ながら徐々に筋肉への負荷を高めていきます。

アスレティックリハビリテーション期

この時期になると競技復帰に向けて様々な負荷や動作を行っていき、筋機能の回復とともに再発予防や全身のコンディション向上も図っていきます。

最後に

肉離れは筋肉の状態や身体のコンディションが適切でない中で強い負荷がかかると再度受傷してしまうリスクが伴う疾患となっています。

特に当院においては再発を繰り返してしまう、回復が思うようにいかない、少しでも回復を早めたい方へ歯髄幹細胞上清液の注射や集束型体外衝撃波を使用した再生医療を行うことや、組織の動きが固まって動きの出にくくなっている部位へのハイドロリリースを行うことでより円滑なリハビリを促すことができるようになります。

肉離れを起こしてしまってお困りの方や、再発を繰り返してしまっている方などはぜひ当院へご相談いただければと思います。

 

MTXスポーツ・関節クリニック 理学療法士 大内元輝

理学療法士の免許を持ち、整形外科クリニックや病院でのリハビリテーション経験が豊富です。パーソナルトレーニングジムでの勤務経験もあり、競技者のケアやコンディショニングに専念しました。 一人一人の目標達成に向けてサポートします。質問や悩み事がありましたらどうぞ。共に成果を出しましょう!

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