2023.01.10
痛みの原因を導き出す【SFMA診断】

腰痛があり、長い間「腰の治療」していても改善がみられないということはありませんか?目に見える痛み=痛みの原因とは限りません。
そのような方に対して、SFMA診断は腰部以外に隠れているかもしれない問題点を浮き彫りにし、痛みの治療と並行して痛みの原因に介入することで症状の改善を図る診断です。
SFMA診断とは
SFMA(Selective Functional Movement Assessment)とは、体の痛み・機能障害の原因に対して7つの動作パターンを評価(機能的で痛みなし、機能的で痛みあり、機能不全で痛みあり、機能不全で痛みなし)し、「どこが問題か」ではなく「なぜ問題が起こっているのか」の原因を明確に導き出す評価方法です。
SFMA診断は体の痛み・機能障害の原因を3つに分類することが出来ます。
・関節
・軟部組織
・神経
その原因に対して、適切なアプローチを行うことで、より症状の改善が期待されます。
FMS診断との違い
前回のコラムでお話したFMS診断は、7つの評価項目から筋肉の柔軟性、筋力・バランス能力、関節の動き、姿勢、身体の不調痛みの有無など、現状の「身体コンディション」を確認する動作テストです。
FMS診断で全身運動をして、どこかに痛みが出たらSFMA診断に移行し、治療を行います。
当院での治療の流れ
当院では理学療法士が、まず初めにFMS診断を行い痛みの予兆を見つけます。
もしそこで痛みが出た場合、医師によってSFMA診断を行い、痛みの原因を探ります。
SFMA診断では、はじめにトップティアーと呼ばれる導入の診断テストを行います。
・頚椎(屈曲・伸展・回旋)
・上肢
・胸腰椎(屈曲・伸展・回旋)
・片脚立位
・アームダウンディープスクワット

主訴と原因箇所が異なった症例
主訴で痛みを相談された方の原因が別の部位にあった症例をご紹介します。
症例①)バスケットボール選手
主訴 膝痛 ???????→ 原因 足首の捻挫癖
症例②)趣味でテニスを楽しまれている方
主訴 テニス肘 → 原因 肩回りの関節の可動域
このようにSFMA診断により原因が明確になり、患部外に対して治療アプローチを行うことは珍しいことではありません。
保険適応の治療では、診断された部位への治療を行うのに対し、当院のような自由診療では診断されていない患部外の原因に対しても積極的にリハビリ治療を行うことが可能です。
また、当院では医師がSFMA診断を行っており、治療経過から必要に応じて体外衝撃波などの治療を組み合わせて行うことができるのも強みです。
それにより、痛みの問題を根本的に解決することが可能になります。
最後に
医師がSFMA診断、FMS診断の両方を活用して診察するクリニックは国内では非常に珍しいです。
どこで治療を受けても改善しない症状でお困りの方、SFMA診断、FMS診断を是非当院でご体験してみてください。

記事監修
MTXスポーツ・関節クリニック 理学療法士 石崎翔大
2011年理学療法士免許を取得。整形外科領域で延べ6万件以上の治療、トレーニングに携わり、日常生活での痛みの改善、オリンピック代表選手などのアスリートの競技復帰をサポート。
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