2022.09.27
オスグッド病とは

皆さんも「オスグッド」という単語は聞いたことがあるのではないでしょうか。
オスグッド病は広く知られている成長痛の一つで膝の皿の骨(膝蓋骨)とスネの骨(脛骨)の橋渡しをしている膝蓋腱の、脛骨側の付着部の炎症です。(膝蓋骨側の付着部の炎症はSinding Larsen-Johansson病といいます)
オスグッド(Osgood)とシュラッター (Schlatter)により報告され、10-15歳の男子の成長期によく起きるとされています。広義のジャンパー膝にも含まれます。
本コラムでは、オスグッド病の原因と一般的な治療法、当院での治療方法についてご紹介します。
オスグッド病の原因と一般的な治療法
受傷メカニズム
オスグッド病は、慢性的に膝蓋腱の脛骨付着部にストレスがかかることにより、炎症が起こります。成長期に骨と筋肉の成長のバランスが崩れたり、進級して部活がハードになる、体重が増加するなどで膝蓋腱の脛骨付着部へのストレスが上昇します。
診断
オスグッド病になると、レントゲンや視診では明らかな骨隆起、エコーでは疼痛部位に血流の増加(=炎症反応)が見られることがあります。
治療とリハビリ
疼痛の強い炎症期にはPOLICEで炎症の沈静化を行います。オーバーワークや大腿部の筋が硬いことで発症しやすく、オスグッド病になってしまうと練習量の制限やストレッチを行います。筋力と骨の成長のバランスが取れていないことも多く、リハビリで筋力トレーニングや身体の動かし方を学ぶことも重要です。多くは手術を行わずに回復することが多いですが、難治性で骨が一部欠けてしまっている(遊離骨片)場合は手術で摘出することもあります。
当院でできる治療法
当院では、集束型体外衝撃波で疼痛除去と柔軟性の向上を行い、リハビリで身体の使い方を学んでいただきます。
体外衝撃波
体外衝撃波は除痛効果も強いですが、固まってしまった筋・腱の柔軟性を出すことも得意としています。オスグッド病以外にも様々な慢性障害に適応があるので、スポーツのみならず成長痛や加齢による疼痛にも非常に効果的です。
リハビリ
リハビリでは柔軟性の欠如に対するアプローチはもちろんですが、股関節や体幹、足部など、膝周囲の関節であったり、身体の連動性を確認しながら、一つの部位に負担をかけないような使いかたを学んでいただきます。
再発防止指導
セルフメンテナンスも非常に重要になりますので、治療が終了してから再発しないような指導もいたします。また、適切な靴のインソールを使うことで膝や股関節へのストレスを和らげ、早期の回復や予防につなげることができます。そのため、当院ではオリンピックやNBA(米国プロバスケットリーグ)でも採用されているドイツのバウワーファインド社のインソールの使用を推進しております。
最後に
いかがでしたか?
MTXスポーツ・関節クリニックではオスグッド病の治療にこのように取り組んでいます。
まずはご相談ください。
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