2023.02.07
最近、歩きにくい…。それってロコモかも!?

ロコモとはロコモティブシンドロームの略称です。
日本整形外科学会では運動器の障害のために転倒リスクが高くなり、移動機能の低下をきたした状態と定義され、「立つ」「歩く」といった動作が困難となり、寝たきりになる危険性が高くなる症状をいいます。
ロコモが進行すると、要支援や要介護になるリスクが高まりと言われおり、高齢者の健康寿命の延伸や生活の質の向上、社会参加を促進するには「ロコモ」を早期に対策・予防することが大切です
今回は、ロコモを予防するために、整形外科の観点から原因や予防についてお話していきたいと思います。
ロコモと健康寿命
健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」のことです。
平均寿命との違いは要介護や寝たきりといった人の手を借りなければならない「介護が必要な期間」にあります。
厚生労働省の調査で、日本の平均寿命と健康寿命には大きな差があることがわかりました。
男性
平均寿命81.41歳
健康寿命72.68歳
女性
平均寿命87.45歳
健康寿命75.38歳

「介護が必要な期間」は本人やその周りの家族に精神的にも身体的にも負担が多い炒め、ロコモ予防により健康寿命を延ばすことが重要です。
ロコモの原因は?

なぜ、ロコモになるのでしょうか。
原因としては、「加齢」「運動不足」「体型の変化」「外出機会の低下」などが挙げられます。
骨や関節の病気では、骨粗しょう症、変形性膝関節症があります。
ロコモになりやすい人の特徴
どのような人がロコモになりやすいのでしょうか?
ロコモティブシンドロームになりやすい人の特徴についてご紹介いたします。
特徴① 女性
50歳以上の女性の約24%がこの病気になるといわれています。
リスクが高い原因は閉経後に女性ホルモンが低下し、骨密度が低下する事です。
実際、骨粗鬆症患者は女性に多く、男性患者の約3倍といわれています。
また、女性は男性よりも靭帯や膝軟骨が脆弱で膝関節を損傷しやすいといわれています。
特徴② 高齢者
加齢に伴う筋力の低下は、転倒のリスクが高まる要因の一つです。
転倒により体力や筋力の低下を招き、ロコモになりやすい状態になります。
ロコモかチェックする方法

ロコモかどうかをチェックする方法はいくつかあります。
立ち上がりテスト (下肢の筋力チェック)
片脚または両脚で座った姿勢から立ち上がれるかによってロコモ度を判定します。
下肢筋力が弱まると移動機能が低下するため、立ち上がるのに困難がある場合はロコモの可能性があります。
2ステップテスト (歩幅チェック)
このテストでは歩幅からロコモ度を測定します。
歩幅を調べることで、下肢の筋力・バランス能力・柔軟性などを含めた歩行能力を総合的に評価します。
【参加費無料】MTX式かんたん膝検診
当院では、現時点での膝の健康状態を評価し、ご自宅で出来る簡単な膝の運動をご紹介する無料イベントを定期的に開催しております。

開催日時のお問い合わせ、ご予約は公式ラインよりご連絡くださいませ。
【参加費無料】かんたん膝検診についてはこちらをご覧ください。
当院での治療

当院では関節の痛みやご自身の体力に応じた治療プログラムを医師、理学療法士、トレーナーがタッグを組んでオーダーメイドでお作りします。
早期に転倒予防行動を介入することが大切です。
・幹細胞培養上清液による関節内注射
幹細胞培養上清液には、成長因子やサイトカインが多く含まれていると考えられており、炎症を抑えたり組織修復したりと効果が期待されます。
・集束型体外衝撃波
治癒力が停滞している組織や硬くなってしまった組織に衝撃波で刺激を与えることで再生を促します。
・専門性の高い理学療法士による運動療法
それぞれの膝の症状に合わせ、オーダーメイドのリハビリを提供します。
上記の治療を組み合わせることで、可動域や運動能力を向上させ、疼痛や可動域制限が改善したところで、積極的に運動療法を行います。
最後に
いかがでしたか。ロコモは早期発見、予防対策が大切です。
当院では皆様の健康寿命を伸ばすお手伝いをさせていただきます。
お気軽にご相談ください。

記事監修
MTXスポーツ・関節クリニック 院長 富岡 義仁
インディアナ州立大学アスレティックトレーニング学部卒、富山大学医学部卒。
東京警察病院整形外科で臨床に従事しながら、2020年オリンピック選手村ドクターを日本最若手として勤務。
2022年MTX関節クリニック開院を開院し、院長就任。
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