FAIって知っていますか?股関節の痛みの原因とその克服法

運動中にこんな症状に悩まされていませんか?
・股関節が硬い
・深く曲げると詰まる感じがする
・深く曲げると股関節が痛い
・あぐら姿勢ができない
その症状は股関節の構造的な問題があるかもしれません!
今回は、運動時に感じる股関節の硬さやつまり感の可能性として考えられるFAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)についてと必要なエクササイズ、手術適応について解説していきます。

FAI(大腿骨寛骨臼インピンジメント)とは?

 
 

大腿骨や骨盤の骨が異常に形成されて股関節動作時に骨と骨が衝突してしまう病態のことを言います。

診断には、単純X線が基本となり、必要時にCTやMRIで股関節唇損傷の精査を行います。

・Pincerタイプ:骨盤側の骨が大きくなる
・Cam  タイプ:大腿骨側の骨が大きくなる
・Mixed  タイプ:骨盤側と大腿骨側とも大きくなる

Camタイプでは特に、
・12.5時間/週以上運動している若年層
・12歳以下で4回/週以上運動している男児
・3回/週以上を36カ月以上運動している男児

一つでも上記の運動環境に当てはまる思春期の特に男児に形成されることが多く、
将来的に変形性股関節症のリスクが高くなると報告されています。

関節の周りには靭帯や筋肉以外にも関節を包む関節包・滑膜、関節唇など痛みを感じるセンサーがたくさんあるため、
関節に不具合が起こると痛みに繋がります。
FAI構造は股関節唇損傷というケガに繋がる可能性があります。

運動時に股関節の硬さを感じていませんか?

前述のように異常に形成された骨が足を曲げたときに衝突することで、股関節のつまり感や動かしづらさにつながります。
スポーツ場面ではそれらにより筋力低下、柔軟性低下を起こし正常な動きができなくなります。

例えば、あぐら/内股座り/キャッチャー・四股座り/体育座り
などの股関節を深く曲げる、曲げた状態で捻る姿勢では骨同士が衝突しやすくなります。

これらの症状を改善するには体幹と骨盤の可動性や筋力が最も重要になります!

正しいエクササイズで症状を改善

目的① 股関節自体の可動域を広くする

目的② 体幹と骨盤の柔軟性を高める

目的③ 正しく体幹と骨盤の安定性を向上させ、症状を開園・予防する

外科的な治療について

Q.どんな症状の人が手術をするの?

適応 :FAIの診断で保存療法のみでは改善しない方、股関節唇損傷を合併の方
適応外:変形性股関節症、臼蓋形成不全

Q.どんな手術をするの?

股関節鏡視下手術
-股関節唇形成術
関節包の切開を最小限にするため翌日から荷重しての歩行が可能です。

-CAMのトリミング
でっぱり過ぎた骨を削り、股関節唇損傷の再発予防、可動域拡大が可能です。

 
 

Q.スポーツはでいつ頃からできるの?

経過が順調であれば術後3ヶ月くらいからジョギングやスポーツ活動の復帰が可能です。

最後に

FAIは約8割の方が保存療法でよくなります。

しかし、それ以外の方は股関節唇などの構造的なケガに繋がる方もいらっしゃいます。
正しい治療や運動療法を行うことで症状が改善する可能性が高く、予防も含めてまずは診察で整形外科医による画像評価、治療を行い、
リハビリで理学療法士による評価、運動療法など適切な治療が大切です。

思い当たる症状やお困りの際は、何でもお気軽に当クリニックへお問い合わせください。専門の医師やスタッフが丁寧にご対応致します。

記事監修

MTXスポーツ・関節クリニック 理学療法士 境 由加里

理学療法士として急性期病棟、整形外科クリニックで臨床に従事。
アスリート、小学生~スポーツ愛好家の方々の治療を対応し、その後はB1のプロバスケチームのトレーナーとして4年間活動。
運動療法を中心としたリハビリで多種多様な競技に対してサポートを行う。

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